日本伝統瓦技術保存会は 瓦をつくる・瓦を葺くという 双方において 未来へつづく職人を教えて育てる 育成(技術の伝承・継承)に努めつつ 文化財建造物の保存修理も おこなっている団体です。
本保存会は、平成3年3月1日に、発足し、芸術文化振興基金による助成を受けながら、「瓦をつくる・葺く」という双方において、職人の育成と技術の伝承に努めてまいりました。
そして、平成19年9月6日、文化庁より「選定保存技術保存団体」の認定を頂く運びとなり、平成28年には一般社団法人へと移行し、今日に至ります。
私たちが携わる「瓦」は、今から1400年以上前の西暦588年に、朝鮮より伝えられました。
その原点は、「本瓦・本瓦葺き」です。
後に、本瓦を一体化した「桟瓦・桟瓦葺き」が発明され、広く一般的に「瓦」というものが普及することとなりましたが、その反面、「本瓦(葺き)」の利用は激減し、近年においては歴史的建造物に使用されている程度の、稀なものとなっております。
さらに、近代化と文明社会の波にのまれ、瓦づくりは機械化し、手づくりすることが困難な状況となり、また瓦を葺く技術も消えつつあります。
すべてのことが近代化・機械化していくと、いくら立派な文化財が残っていても、手技の技術が絶えてしまうことになり、文化財を守ることもできなくなってしまいます。
そういった経緯から、私たちは設立以来、瓦づくり・葺き双方ともに、職人を育成しています。
さらに、選定保存技術団体の認定を受けましてからは、新たな後継者の育成方法として、上級者は技術力だけではなく、「相手が理解できるように教える」ということを学ばせ、実際の現場で、職人はもとより、設計者、現場監督、関係者へ理論的に説明ができる指導者としての技能を習得させることを目的とし、実践している職人同士が意見を交流しながらより良い瓦葺き技術を、共に高めあっていくこともふまえました。
また、歴史的事件として、平成20年2月10日、大韓民国の国宝第1号である崇礼門炎上の一報をテレビ報道で知り、大きな衝撃を受けました。
朝鮮より、瓦が伝えられて約100年後に建設された奈良・平城宮跡第1次大極殿の復原工事に参加させて頂いていた最中でもあり、発掘された瓦や、当時の時代背景を考慮しながらの復原を行っていく中、瓦が朝鮮から日本へ伝えられてから、今日まで約1400年以上のあいだ、瓦文化が続いてきたのも、現在まで多くの瓦職人が仕事ができたのも、朝鮮より瓦博士が教えてくださったからだど、感謝の気持ちを抱かずにはいられません。
そういったことからも、私たちは、瓦をつくる・瓦を葺く技術をこれからも絶やしてはいけないと痛切に感じております。
1400年近く、代々守り伝えられた「瓦」技術を伝承・継承・育成しながら、立派な屋根にすることによって、先人たちの築いてきた文化財の修復のひと欠片となり、また、このような研修事業ならびに、文化財修復に携わらせて頂いていることを心に置き、国民の皆さまへの少しばかりでもの恩返しとなればと存じておりますとともに、さらなる技術の伝承・後継者の育成を行ってまいりたいと存じます。
今後共、本保存会の活動に対し皆様のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
平成 3年 3月 1日 日本伝統瓦技術保存会 設立
初代会長 小林章男(奈良・株式会社瓦宇工業所)
平成 7年 2代目会長 上田榮一(京都・株式会社大佛)
平成13年 3代目会長 山本清一(奈良・山本瓦工業株式会社)
平成19年 9月 6日 文化庁より 選定保存技術団体として認定を受ける
(文化財をまもる国宝の職人集団)
平成24年 全国国宝重要文化財連盟 功労者賞
平成28年 4月 1日 一般社団法人へ移行
平成30年 2月 7日 ユネスコ 無形文化遺産候補に選定される
平成30年 6月07日 名誉会長 山本清一(奈良・山本瓦工業株式会社)
代表理事 竹村優夫(京都・有限会社 竹村瓦商会)
役職 | 名前 | 所属 |
---|---|---|
代表理事 | 竹村 優夫 | 有限会社 竹村瓦商会 |
理事 | 寺本 光男 山本 健二 |
株式会社 寺本甚兵衛製瓦 山本瓦工業 株式会社 |
監事 | 石井 秀夫 石野 欣秀 |
株式会社 瓦熊 石野瓦工業 株式会社 |
会計 | 長谷川 成幸 | 株式会社 長谷川 |
研修担当 | 磯崎 幸昌 杉浦 達雄 |
株式会社 磯崎瓦店 株式会社 白鳳瓦 |
会報担当 | 竹村 登茂枝 | 有限会社 竹村瓦商会 |
社名 | 名前 | 住所 | TEL |
---|---|---|---|
山本瓦工業 株式会社 | 山本 健二 | 奈良県 生駒市谷田町362 |
0743-73-2520 |
桐山瓦工業 株式会社 | 桐山 嘉弘 | 奈良県 奈良市北ノ庄町699 |
0742-61-0566 |
有限会社 竹村瓦商会 | 竹村 優夫 | 京都府 京都市右京区花園寺ノ前町50 |
075-463-6397 |
株式会社 寺本甚兵衛製瓦 | 寺本 光男 | 京都府 京都市伏見区深草瓦町20 |
075-641-0287 |
奈良県瓦センター 株式会社 | 石井 秀樹 | 奈良県 天理市桧垣町738 |
0743-66-0311 |
株式会社 瓦熊 | 石井 秀夫 | 京都府 京都市伏見区羽束師菱川町671 |
075-921-2148 |
石野瓦工業 株式会社 | 石野 欣秀 | 奈良県 天理市桧垣町421-1 |
0743-66-1246 |
橋本瓦葺工業 株式会社 | 橋本 浩至 | 奈良県 奈良市南永井町220-1 |
0742-61-2272 |
株式会社 磯崎瓦店 | 磯崎 幸昌 | 京都府 京都市上京区裏門通出水上る白銀町254 |
075-414-1445 |
株式会社 長谷川 | 長谷川 成幸 | 滋賀県 野洲市西河原3丁目2455 |
077-589-2322 |
黒田瓦工業 | 黒田 正人 | 愛媛県 西条市北条1186 |
0898-64-5565 |
有限会社 石保 | 諫山 巧 | 愛知県 高浜市田戸町5-5-20 |
0566-53-0329 |
株式会社 白鳳瓦 | 杉浦 達雄 | 愛知県 碧南市福清水町4丁目38番地 |
0566-42-9101 |
美濃瓦協業組合 | 河口 泰基 | 岐阜県 岐阜市城田寺2988-1 |
058-232-5531 |
社名 |
---|
株式会社 瓦宇工業所 |
株式会社 瓦道 |
岩見製瓦 株式会社 |
西京瓦興業 株式会社 |
株式会社 大佛 |
横山製瓦工業 |
小林伝統製瓦 |
伏見窯業 株式会社 |